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【連載】「眼鏡の社会史」(白山晰也著)第十七回


弊社四代目社長の白山晰也が記した著書「眼鏡の社会史」(ダイヤモンド社)の無料公開連載の第十七回です。
老舗眼鏡店の代表であった白山晰也が眼鏡の歴史について語ります。
今回は近世風俗画と眼鏡についてです。前回はこちら

第6章 近世風俗画における眼鏡の諸相
1 近世風俗画と眼鏡
日本へ眼鏡が伝えられて以来、眼鏡は日本人の多くの生活場面の中にあらわれるようになった。
それは江戸時代を通じて、中国から、あるいはヨーロッパから輸入され、その製造も、すでに江戸時代初期に三都を中心に見られるようになった、その結果であることはいうまでもない。
そこで、この章では、眼鏡がどのように使用されていたか、その実際の状態を、主に近世風俗画を題材として見ていきたいと思う。

なお、ここでいう近世風俗画とは、狭義には桃山時代から江戸時代初期にかけて成立した大和絵の一ジャンルに属するものである。
従来の大和絵が、四季の移り変わりの中に風景や人物を描く四季絵であったり、毎年繰り返し行われる年中行事の中に人間の営為を描く月次絵出会ったりしたのに対し、風俗画とは、人間の風俗のみに関心を集中させ、むしろ季節を描くことは二義的なものとする絵画をさしている。
たとえば、『洛中洛外図屏風』、『南蛮屏風』、『喜多院職人尽絵屛風』などは、その代表的なものである。

しかし、ここでは、そのような狭義の風俗画だけでなく、元禄期における仮名草子、浮世草子、さらに化政期における黄表紙、浮世絵(錦絵)、洒落本、滑稽本、人情本、読本など、版本の挿絵をも含めて、広く世態風俗を描いた絵画を総称して、近世風俗画としてこれを取り上げようと思う。(続く)

弊社では眼鏡のコレクションを数百点を展示した東京メガネミュージアムを運営しております。
現在事前予約にて受付させていただいております(平日10:00~16:00 土・日・祝日閉館 入場料無料)
ミュージアムのご予約、「眼鏡の社会史」(税込定価:3,417円)の書籍をご希望の方は、stage@tokyomegane.co.jp までメールにてご連絡ください。
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